第1話 あの夏へ戻る道を越えて

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「何で……」 「何で?」  家に入りやがった。いや、女の子の格好になったの。いや、一瞬でもユウキ可愛いじゃんと思った、俺。  田舎の朝は刺激少ないんじゃないのか。これじゃあ、残った夏が静かになる気がしない。  因みに、俺が言葉を詰まらせると、促すようにオウム返しをユウキはした。  けど俺、やっぱり質問が出てこない。漫画の主人公ならガツンと良い台詞が言えるのにな。  でも、それは珍しく朝から、腹が減っていたからだ。 「飯にしたい。ユウキ、そこどけ」 「あー、はーい!」  猫のようにシュサッと、俺の上から除けたユウキは、パタパタと走って行った。俺は顔を洗うと、飯を食いに居間がある1階へ降りた。
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