第2話 あの夏へ戻る準備

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 俺が真剣に腕組みして考えていると、ユウキは屈託ない笑みを漏らした。  本当に、その笑い方は少年のようで、幼さがあるけど、格好が成人女性なんだよな。 「おっけー。今日はそういう1日にしよう。洗い物したら、外で遊ぼうね!」 「あいよ。確かに、子供なのか、大人になったのか、田舎の夏休みは悩ましいな」 「良いの! これがローカルルールだから! 自転車のタイヤの空気入っているか、確認してきてよ!」  何だ、その田舎ルール。  ユウキが嬉しそうに鼻歌をしながら、洗い物をしているのを見つつ、俺は居間を出た。  うわー、外は炎天下。暑い夏真っ盛りって感じな空気だ。  青い空とその下で、自転車のタイヤの空気を確認している俺は、まだ童心に帰れずに作業していた。
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