26人が本棚に入れています
本棚に追加
川面が穏やかに流れる。
白い煙がたなびく。そちらを見ると、遠くでテントを張り、BBQをしている親子連れがいた。
バスケットボールをする中高生らしきグループが、元気に叫んでボールを追いかけている。
「この町は変わらないな。どこまでも自由だ」
「うん、そうかも」
俺はポツリと呟いた。しゃがんだユウキが頷く。
余裕がない男女がセカセカと歩き、車もクラクションをひっきりなしに鳴らす。あの街は何で時間に追われているんだろう。
別に都会を悪く言いたいわけではない。
この町だって、時間にルーズで、あの街に出ると叱られる田舎者がたくさんいる。
でも今は嫌なことを忘れて俺は、太陽と青い空の下、日暮れまで遊んでいたい。
遊んで……あれ……。
眩暈。
田舎の少年の気持ちではあったが、身体はあの頃ほど強くないようだ。俺は石の上に倒れた。
最初のコメントを投稿しよう!