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気安い中華屋店主は店番に戻らなくても、好きにしろよと怒らなさそうな気もするが、そんなテキトーで、やっていけるのか心配。お断りしますとエミちゃんは帰っていくが、少年達は美味いもん食わしてやるの一言に、また絆されつつあるのが余計に心配になる。
「漫画じゃん。海の家でバイト展開じゃん。恋とか起きる訳ねえんだよ、扱き使われて」
「漫画では恋も起きるけど。起きないよね。腰痛になるコース。つーか、恋したいの?」
したいよとか淳や翼が話していて可愛い。女たちも可愛いとか言って冷やかすけれど、わちゃわちゃする男子高校生は呑気だった。心配は胸から消えないもので文太や渥視は、月白を宥め、もう今日はいいよと断ったが。
「毅? 何か、ぼったくりバー、違った! 海の家でバイト展開になっちまったんだよ。そんな上手い話がある訳ねえんだけどよー、母ちゃんに晩飯いらねえって……。店番?」
元ヤンのお兄さんに話が通じるのが珍妙。笑い声が聞こえるから怒っていなさそうだ。夕飯時には帰って来いよって声が続いたが、やはり簡単に店番からは解放されない様子。母親には遊び呆けるなと叱られているのだ。いい加減すぎる言い訳に聞こえたのだろう。
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