プロローグ

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プロローグ

 「出来たぞ。」と暗い研究室で、完成した薬を眺めている。その薬は、ピンク色の液体だ。一見怪しい毒薬だと思えるだろう…。でもこれは違う、僕はその薬を注射器に吸い込ませ、実験用に用意したオスのハツカネズミに注入した。そしてそのネズミをメスのハツカネズミが大量にいる箱に入れた。  メスのハツカネズミは薬を投入したネズミに一斉に向かった。僕はその光景を見て、実験成功だと思った。この薬は、惚れ薬みたいなものだ。でも、これは少し違う。惚れ薬とは大抵、相手に飲ませ自分を好きになってもらうものだろう。これは薬を注入された人(もの)が周りから恋愛感情を抱かれる薬だ。ネズミはカエルと同じように色んな人に好きと言う感情を安易に振りまくのだろう。僕は、その話を確かめるために毎日観察することにした。  数時間が経ち、オスのハツカネズミの周りには、10匹ほどのメスのハツカネズミがいた。オスのネズミは1匹ごとにメスのネズミと関わりあっている。この話は本当なんだなと分かった。その時、僕は悪役の笑みを見せた。  僕のこの薬を作った本当の意を…
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