エピローグ

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 本日は、新とデートの約束をしていた。  その待ち合わせ場所が何故、椛のクレープ店前かというと。  学祭で一年一組のクレープ屋さんが繁盛したという恭平の話を聞いて、椛が実の弟である新に頼み込んだ。  夏休み期間中だけでいいから、自分の店で働いてほしいと。  最初は断った新も、身内だとしてもバイト代はしっかり支払われると聞いて、渋々引き受けた。  その甲斐あってか、夏休み中の若い子達の間で「イケメン揃いのクレープ店」という噂が立ち。  ご覧の通り、毎日混み合っていて忙しいらしい。 (新くんも恭平くんも、しっかり売上に貢献してるんだ……)  自分もどこかでバイトを始めてみようかな、なんて憧れを抱いた時。  オーバーサイズの黒Tシャツに、カーキのチノパンがまた素敵に着こなされていた新が、慌てた様子で店から出てきた。  そして鞠の姿を見つけるや否や、迷わずこちらに駆けてくる。 「鞠、時間過ぎてごめん。待った?」 「ううん! さっききたところだよ、無事終わったの?」 「無理やり終わらせてきた、あがる時間だったし」 「そっか、お疲れ様!」  額に少しだけ汗が滲む新に労いの言葉をかけた鞠が、可愛い笑顔を咲かせる。  それだけで、夏の暑い日差しもバイトの疲れも吹き飛んでしまう新は、サッと鞠と手を繋いで歩き出した。 「店の中で待てば良かったのに、冷房効いてるから」 「お、お客さん並んでるのにお店は入りづらいよ〜」 「鞠の腕と足が日に焼ける」 「大丈夫だよ。それにちゃんと日焼け止め塗ってきたもんね」  そう言って、手を繋いでいない方の腕を得意げに見せてきた鞠。  確かに、日差しの下でも赤く変化することなく保てている様子。 「新くん?」 「あ……、いや、うん」 「?」  その素肌も、いつもより露出している素足も。  心配になるほどに白く透き通っており、そして目のやり場にも困ってしまうほどに魅力的だった。
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