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休憩時間。ジェームズは胸に熱いものがこみあげてきた。我ながら完璧な推理だったと思う。興奮が冷めない。
「おいジェームズ、顔が赤いぞ」
バリーが正面からひやかした。
「それより、ロンドンに行った使用人から、『ストランド・マガジン』を買ってきてもらったぞ。俺はまだ読んでいない。お前に先に貸してやるよ」
「ありがとう。恩に着る」
ジェームズは本を受け取り、無造作にページを開いた。
内容をちらと見ると、身体に衝撃が走った。
『シャーロックホームズ 空き家の冒険』
ホームズが戻ってきた。久しぶりに。この瞬間をどれだけ待ちわびただろう。夢中で本編を読む。
ホームズはライヘンバッハの滝で死んだのではなかった。
これからの生きる楽しみが一つ増えた。
ジェームズは文面を見ながら、笑顔になった。
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