架空の法律

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架空の法律

「…くん、鈴木くん、起きてよう」 「鈴木、起きろ。もう閉店時間だ」 「疲れているのかしらね」 山村先輩と千夜くん、それから茜さんの声が聞こえてきて、僕はハッと目を覚ましました。 見ると、僕は山村亭のカウンター席で突っ伏していました。 さっきまで夜景の綺麗なマンションに遥さん達といたと思ったのですが…? 「あ…あの、いつの間に山村亭に僕は来たのですか…?」 「鈴木くんは保より先に夕ご飯を食べに来ていたよう」 「お下げします。って、私が断った時、どうぞって言っていたわよ?」 「鈴木、寝ぼけてねーで車で送ってくれ」 千夜くんより先に夕食を摂っていた…? 遥さんの手料理が部屋に帰れば待っているというのに…。 僕は混乱してきて、3人に訊きました。 「あの…遥さんは?」 「ハルカ?誰だ、そいつ。…そうか、鈴木にも遂に彼女が出来たか。雅に言ったら驚くだろうな」 「えっ?雅ちゃんに?」 「鈴木くん、僕と同じ呼び方してるー」 「もうじき、雅さんと浜崎(はまさき)さんの結婚式ね」 3人をよくよく見ると、皆さん、先程より歳をとっています。 どうやら…僕はずっと夢を見ていた様です。 それにしてはリアルな夢でした。 ですが、考えてみれば結婚を法律で義務化するなんて、あり得ないお話です。
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