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「新居はどんな住み心地?」
「結構いいよ。日当たりもいいし静かだし」
ナナミとスピーカーホンで話しながら、僕は今し方買ってきたものを袋から取り出していた。
足にまとわりついてくる保護猫に「ちょっと〜」と文句を言うと、相手は相手で不服そうにニャーと返事する。声が低いんだよ。どうやらチュールが待ちきれないらしい。
「猫を飼う男子は結婚できないらしいよ」
「何そのジンクス」
「心満たされちゃうんだって」
「それは好都合かも」
ナナミは呆れたようなため息を大袈裟に吐いた。
「断るけど、次はないと思うよ。本当にいい子なんだからね」
そうは言っても、少し安心してくれてるように聞こえる。僕の耳が自己中だからなんだろうか。美希の日記には『ナナミちゃんだったら』と書いてあった。君と全然タイプが違うじゃん。
それに、僕の気ままに付き合えるほど、彼女も暇じゃないと思うんだよね。
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