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それから一週間が過ぎたが蒼鳴宮に動物の死骸が放置されることはなかった。
代わりに玉鈴の元に届いたのは彩娟からの書簡と小さな桐箱が一つ。書簡には次のように記されていた。
『親愛なる柳貴妃様。
庭園には梔子の花が開花の時期を迎えました。真っ白な蕾が花開き、まるで雪が降り積もったようです。
冬のような光景は見ていて楽しくて、私が侍女と護衛兵を伴い、庭園を散策していた時のことです。嫌がらせを行った妃が尋ねてきました。
彼女はひどく憔悴していましたが柳貴妃様から言付かった言葉を伝えたところ、安心したようです。自分の行いを悔いて、彼女から柳貴妃様にお詫びの品を預かりました。
また何かありましたらすぐお知らせいたします。
それから今度、梔子の花を鑑賞する宴を催します。柳貴妃様のご参加、心よりお待ちしております。
羊彩娟より』
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