日曜日∶お外ご飯

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日曜日∶お外ご飯

『明日香の好きな唐揚げを作ります。夕飯こちらで食べさせて、そのままお泊りさせてもいい?』 昼過ぎ、お義母さんからメールがあった事を伝えると、明日香は大喜びでお泊りセットを準備し始めた。因みに来週月曜日は祝日だから学校はお休みだ。 お義母さんにお礼のメールを入れて、旦那にその事を話すと「久しぶりに2人でメシ行くか」って。 やった!夕飯作り免除だ!と喜んでいると、明日香がニヤニヤしながらこちらを見た。 「デート、楽しんできてね」 「ご飯行くだけよ」 「えー、それってデートじゃないの!」 夫婦でも、デートって言うのかしら? 私はチラリと貴方を見たけれど、貴方は「何食べる?」と言いながらスマホで店を検索し始める。 「そうねぇ」と返しながら、私は食べたい物と着ていく服の事で頭がいっぱいになった。 「すみません、お義母さん。宜しくお願いします」 夕方、夕飯を食べに行く途中で旦那の実家に明日香を送り届けた。お義母さんはチラリと旦那を見てから、笑顔で「たまには2人でゆっくりご飯食べといで」と言ってくれた。 「有り難うございます」 旦那の実家を出て歩き出す。 考えた末、ちょっとだけオシャレして出てきた。 夜の街は久しぶりでワクワクする。 「ね、もしかして今日、お義母さんに明日香の事お願いしてくれた?」 「んー…まぁね。たまにはいいでしょ」 前を向いたまま、ぶっきらぼうに言う貴方。 そのままさり気なく手が触れて、その手を繋いだ。 「うん!有り難う」 今日は10回目の結婚記念日。 娘も成長して、今は殆ど手がかからない。 そしてあと10年もすれば成人して、いつか親元を離れていく。子どもの成長はあっと言う間だ。 これから長くなる夫婦の時間を、どう過ごそうか。 目の前に滲む夜の街の光を見ながら、繋ぐ手にぎゅっと力をこめた。
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