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レッツ・エンジョイ・恋バナ!(視点:なし。会話のみ)
神 まず、健二のどういうところが好き?
恭 いきなり直球!
葵 いい入りですねぇ~。
咲 ドキドキします。
武 咲殿に同じく。
葵 で? どうなんだよ。
恭 …………とこ。
神 うん?
恭 優しい、ところ、です。
葵 ひゅぅー。
恭 そういうバカな若者みたいなノリはやめろ!
葵 いってぇな馬鹿力!
武 大丈夫ですか葵殿。
葵 武者門さんも一回叩かれてみ? 多分、留め具とか外れるぜ。
武 御免被りたいですなぁ……。
神 あとはどういうところが好き?
恭 えっ!?
神 優しいだけの人なんてたくさんいるでしょ。健二が特別だって思うのはいつ?
恭 い、言わなきゃダメですか。
神 このメンツで照れる必要、ある?
恭 私は理性的な人間なので、恋だ好きだ惚れた腫れたと口にするのは恥ずかしくて……。
葵 (何度も泥酔して醜態を晒したのに、今更んなとこ気にしてどーすんだよ)
咲 (照れ屋さんで可愛いですねぇ)
神 その感情を乗り越えたら、あっぷあっぷもマシになる。気持ちに余裕が生まれるから。
恭 そういうものでしょうか……。
神 神の言葉を疑うの?
恭 い、いえ! 滅相もありません!
葵 (流石神様。相変わらず、話を引き出すのがお上手ですなぁ)
神 じゃあ、他の好きなところ。はい!
恭 えと、話が合うところ!
神 いいね!
咲 (グッジョブマークが見えそうです)
葵 まー、恭子と綿貫君は昔から気が合っていたからなー。
恭 ……そう?
葵 二人纏めて変人だ。
恭 失礼な!
咲 でもその通りですよ?
恭 咲ちゃんまで! えー、ちょっと待ってよ。私は至って普通よ普通。変わっているのは彼だけね。
咲 普通の人は一晩中お酒を飲んだ挙げ句、後輩に朝から電話で相談したりしません。
恭 ぐっ。
葵 意外と根に持ってんのな。
咲 困りましたから。
恭 ごめんって……。
葵 まあまあ、可愛いもんじゃねぇか。咲ちゃんは派手に迷惑を被ったが、クソ真面目に好きって何って考え込んだ結果の有様なのだから。
咲 それはそうですが。
神 泥酔していい理由にはならないけどね。
恭 ぐはぁっ!
咲 そうなのです!
神 ところで、咲も酔っ払って佳奈に面倒を見て貰ったり、恭子に駅までおぶられたようだが?
咲 ……そうでした。
神 人を刺す時、己もまた刺されると心得たまえ。
咲 気を付けます……。
恭 よし!
葵 いや、お前のやらかしがチャラになったわけじゃねぇぞ。
恭 責めが分散するだけでも助かるの。
葵 ところで神様。酔っ払って人んちへ突撃した挙げ句、半ば無理矢理同伴させた男がいるのを忘れて下着姿で風呂から出てくる女ってどう思います?
神 恭子、もう少し気を引き締めなさい。
恭 あれは葵が悪いんですよ!? 体操服なんか渡してきたのが原因じゃないの!
葵 綿貫君がいるのをスポーンと忘れたのはお前だ。
恭 うっかりよ!
葵 やっぱお前はポンコツだな。何でも出来るけど性格だけは残念なねーちゃんだ。
咲 ギャップ萌えですねぇ。
恭 そもそも体操服を着せようとした意味も未だにわかっていないし!
葵 ただの私の趣味だ。決まってんだろ。
恭 当然のように言わないで! 最近のあんたは欲望に忠実過ぎるのよ!
葵 人生、楽しむって決めたんでね。
恭 私を巻き込まないで!
咲 でも恭子さんの体操服姿ですかぁ。そんな刺激的な格好を見たら、綿貫君、きっと照れちゃうでしょうね。わーってなりそう。
葵 なってたぞ。体操服じゃなくてブラにホットパンツのこいつを見たせいだったが。
咲 あー……。
神 咲もなかなかの想像力だね。
咲 あ、そうでした! 神様にはバレちゃうのでした!
恭 いちいち想像しないでよ……。
咲 凄い破壊力です……。
葵 実際凄かったぞ。綿貫君がいなかったら、私は密かにもっと堪能したところだ。
恭 この際だから、あんたらスケベコンビに一応言っておくけどね。
葵 私はスケベじゃない。
咲 私も違います。
全員 それは無い。
咲 ひどい……。
恭 聞きなさいよ。いい? 私は別にお色気要員になりたくてスタイルを維持しているわけじゃないのよ? ただ、持って生まれた容姿が恵まれていたから、キープするために努力をする義務があると思っているの。だから食事には気を遣うし、体操やストレッチは欠かさない。それを気軽にマニアックだのセクシーだのと呑気に評して体操服を着せようとしたり下着姿を楽しみおってぇ~!
葵 いいじゃん。
恭 一言ですませるな!
咲 ……ちなみに、メイド服を着るのは嫌ですか。
恭 モノによる! 露出過多は嫌。
葵 綿貫君の家に泊まる時は紐ビキニのメイド服を着て一緒に寝ろよ。翌朝、我慢に我慢を重ねた廃人が一人出来上がるぜ。
恭 着るか!
葵 神様はどう思います?
恭 なんつー話題を振ってんの!?
神 様々な神話に触れてごらん。会話する前に行為へ及んだ伝説なんて掃いて捨てる程ある。
葵 取り敢えずやっちまえってさ。
恭 何言ってんですか神様!!
神 私の個人的な意見だよ。
恭 そんな、中学生みたいなお顔でとんでもなくアグレッシブなことを仰らないで下さい!
神 忌憚無き意見を述べたまで、さ。
葵 まあ神様の価値観は私ら人間とはちょい違いそうだもんなぁ。
神 そりゃそうだ。
咲 武者門さんはどう思いますか? お付き合いと肉体関係について。
葵 お、咲ちゃんも酔っ払って来たか? そんな話題を照れもせず口にするなんてさ。
恭 スケベの本領発揮ね。
咲 私だって子供じゃないのですよー。アダルトなお話だって出来ます。あと、スケベではありません。
全員 それは無理だって。
咲 どうして皆さん、ハモるのでしょうか……。
葵 まあしかし、この中で一番恋人とよろしくやっているのは咲ちゃんだもんなぁ。
恭 そういやそうね……って、あんたに言われると未だに、大丈夫? って身構えちゃうんだけど。
葵 じゃあ慰めるためにチューしておくれ。
恭 はっ倒すわよ。
葵 怖い怖い。
神 私が膝枕でもしてあげようか。
葵 恐れ多いし何かしらのしっぺ返しがありそうだから、パス。
神 ふふ。
葵 マジでこえー。
咲 で、どう思いますか武者門さん。
武 ふーむ。後悔せず、裏切らず、どちらも傷付かない。そして必ず、しっかりと幸せを掴まえる。そうしようという固い決意を互いに抱いているのでしたら、交際に先んじて事を致すのもよろしいかと。
葵 そこまでして付き合う前にやりたいか?
武 私はそういった欲求も無ければ必要もありませんので、お答え致しかねますな。
咲 私はお付き合いを初めてから派です。好きですって気持ちを伝えあってからがいいなぁ。
恭 私も咲ちゃんと一緒! だから紐ビキニを着て寝たりしないわ!
葵 じゃあ付き合い始めてからはどうだ?
恭 え?
葵 彼氏のために、コスプレ出来る?
恭 ……何の話? 葵、酔ってる?
葵 多少はな。いや、でもふと気になって。
恭 何が。
葵 恭子はそんなにコスプレが好きじゃないんだろ。
恭 うーん、まあ自分一人で積極的にやったりはしないわね。
咲 …………。
恭 嫌なら嫌ってはっきり言うから、無理強いしちゃったかなー、なんて気にしなくていいわよ咲ちゃん。
咲 ありがとうございます。でも、私の考えていることがよくわかりましたね。はっ、まさか恭子さんも超能力に目覚めましたか!?
恭 んなわけないでしょ。咲ちゃんはテレパシーなんて必要ないくらい顔に出るもの。考えを見通すまでも無く伝わるわ。
咲 神様。私をポーカーフェイスの達人にしてください。
神 今日は満月じゃないから願いは叶えない。
咲 あぁ、そうでした……。
葵 気は済んだか酔っ払い。
咲 これが済んだ顔に見えますか。ほら、葵さん。どうですか。
葵 近い近い。ついでだ、えいっ。
咲 あっ……。
葵 チューしちゃった。ほっぺにだけど。
咲 ……葵さん……。
葵 唇は田中君のものだからなー。流石に奪っちゃ悪いだろ。
咲 …………。
恭 完全に恋する乙女の顔ね……。
咲 …………。
葵 照れちゃって、まー可愛らしいですな
恭 何やってんのよあんた達……。
神 もっとやってもいいよ。
恭 いいわけないでしょ!
葵 あはは。そんで恭子。もし綿貫君に紐ビキニのメイド水着を着てくれって頼まれたら、お前は着る?
恭 話の翻り方が凄いな! そして、私は……着ないわ。
葵 どうして?
恭 だって体目当てみたいじゃない。そんなの嫌。私は私を好きになって欲しいの。勿論、体も私の大事な要素よ。だけどやっぱり中身を見て欲しい。秋葉恭子という人間を、人格を、心を、ね。
葵 成程。
恭 どうしてそんな質問をしたの?
葵 マニアックなプレイを求められたら応じるのかって気になったから。
恭 クソみたいな理由ね! もっと深い意味があるのかと思ったのに!
葵 ねぇよ。
恭 真面目に答えて損した気分!
神 いや、でもいいやり取りだったよ。
恭 え、どの辺がですか?
神 恭子は自分の性格を好きになって欲しいってはっきりわかった。そして惚れた相手の頼みであっても自分が嫌なところは譲らないというしっかりしたところも伝わった。
恭 心が読めるのなら、私が発言するまでもなくわかってらっしゃったのではないですか?
神 言葉にして、口から発することが大切なのさ。
葵 言霊ってやつですか。
神 まあそんなところかな。それに、発言っていうのはとても重い、責任重大なものなのだよ。なにせ発した言葉は無かったことには出来ない。人は気楽に喋るけど、それが凶器にも慈愛にもなる自覚を持って貰いたいものだ。
葵 失言してから、今の無し! って主張したって遅いもんなぁ。
恭 う、それはちょっと今日の私に刺さるわね。
葵 やらかしていたもんなー!
恭 いじり方に遠慮が無い!
葵 昼も小競り合いを起こして、夜も勝手に落ち込んで、お前、これからどうする気?
恭 そう、そうなのよ! 神様、私はどうしたらいいのでしょうか!?
神 何もしなくていいよ。
恭 えっ?
葵 なぬ?
神 だって。
恭 ……あ。
葵 どした。
恭 綿貫君から、電話がかかって来た……。
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