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「これは、呪眼と言ってな。事情があって普段は眼帯で隠しているが、真実を見抜くことを得意としている」
「……あの。それで……奶奶だった、梁を?」
「ああ。玉蘭殿に、大事な用があってきたのだが……いつから、こんなことに?」
「わ……かりません」
聞かれても答えられない。いつからだなんて覚えがない。紅狼と梁の方に振り返ると、彼は一度目を伏せてから家の中に来いと言いたげに、体の向きを変えた。
『……来てくれ』
その声に覇気はないが、真実を教えてくれるのだろう。
恋花は、ゆっくりと深呼吸をしてから、紅狼と共に梁の後についていくことにした。
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