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第7話 九十九を得て
*・*・*
己の九十九が戻ってきて、数日後。
恋花は街中にはいなかった。祖母を訪ねてきた武官である李紅狼の提案により、皇帝がいらっしゃる宮城の中。基本的に男性禁制である後宮への宮仕えのため、待ち合わせの場所に梁と一緒に紅狼を待っていたのだ。
様々な役人や商人などが行き交う通りだったので、九十九も多く顕現していた。彼らと同じ存在になれたと言う実感がまだ湧かないが、梁はきちんとここにいる。それは紛れもない真実だ。
「待たせたな」
少し待っていると、紅狼が少し早足でこちらに来てくれた。今日も今日とて、とても美しい顔立ちだ。周りの注目を集めたが、彼自身は特に気にせずに恋花の頭を軽く撫でた。恋花は子どもではないが成人している年代になりたてだ。その扱いは仕方ないにしても、祖母に化けていた梁以外でそのような扱いをされることがなかった。
だからか、少しだけ気恥ずかしさを感じても嬉しかった。
「……いえ。大丈夫です」
「そうか。早速だが、後宮へ行こう」
「あの……後宮に男性は行けないのでは?」
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