第8話 祖母の弟子

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「……麺麭と言います。包子のように、中には餡が入れてあります」 「……ぱん?」 「俺も食わせてもらったが、すごく美味だ」 「へー? ()武官が言うくらいなら」  と言って、躊躇うこともなく、豪快にかぶりついた。恋花は少し不安を抱きながら、崔廉の口からどのような言葉が出るかを待った。  横に来た梁に、軽く肩を叩かれても安心する気持ちにはなれず、崔廉があんぱんを飲み込むのを待つ。よく咀嚼し、味わいを確かめるようにして飲み込んだ崔廉は。  手元に残ったあんぱんを持ったまま、空いている腕を使って恋花に抱きついてきたのだ。 「!?」 「合格さね! あんたは凄いよ!! さすがは師父の孫だ!」  と言って、ぐりぐりと痛いくらいに恋花の頭に顎を乗せてきた。喜びの表れなのだろうが、そこまで感心させるとは思っていなかったので、恋花はびっくり以上に惚けてしまう。 「なら、崔廉殿。恋花を頼めるか?」 「もちろんさ。緑玲(りょくれい)()への点心作りにも加わらせていい!」 「りょく……れい?」 「李武官の従姉妹様だよ。……事情知らせてないのかい?」 「正式に決まってからだと思ってな」  とにかく、審査には合格して勤め先が出来たこととなり。  他の点心局の料理人らにも、あんぱんを食べてもらうこととなった。
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