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第14話 皇帝が認める
畏れ多過ぎて、慌てて最敬礼をしようとしたのだが皇帝から待ったをかけられてしまったのだ。
「ああ、良いぞ。其方が、玉蘭の孫か? 面影があるな?」
顔を下げるなと言われたために、恋花は中途半端な姿勢となったが皇帝は咎めも何もしなかった。逆にこちらへと近づいてきたかと思えば、恋花の頭を軽く撫でてくれたのだ。
国を納める雲の上とも言える存在。
さらに、彼の後ろにいる紅狼の言葉によると、祖母の玉蘭にかけられた封印を解くことが出来るかもしれない存在でもある。正確には、この存在の九十九に関わるらしいが。
「……はい」
「紅狼から聞いたぞ。恋花と言うのか」
「……は、はい。黄恋花と申します」
『九十九の梁だ』
ぶっきらぼうな物言いをする梁だが、人間に寄り添う存在であれど人間とは違う在り方だと言われている。人間でも敬う存在であれ、九十九からしたらただの人間でしかないのだ。
「そうか。余は斗亜だ。第十五代、唐亜国の皇帝だ」
「……はっ」
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