掲示板の謎を解け!

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「おはよー。ふぁ~眠いねー」 朝の至福の時間を堪能していると、まだパジャマ姿の姉が大きなあくびをしながら、のそのそと階段を下りてきた。椅子に座ると机に置いてあるコップを勢いよくつかみ、牛乳をグビグビとのどに流し込んだ。 「あ、そっか! 今日から一週間は洋食だったね。んぐっ…んぐ、ママいつもありがとね!」 「こらこら、ちゃんと噛まないと喉に詰まらせちゃうわよ」 「全く…そのせっかちさは一体誰に似たんだか」 「父さんでしょ。今日もシャツのボタン一個かけ間違えてるし」 「なにっ?! ……椿(つばき)、そういうことは早く言ってくれ」 「はいはい」 姉が来ると、場が一気に、にぎやかになる。父さんに注意されても姉は口いっぱいにトーストをほおばるし、父だって読んでいた新聞から顔を上げ、会話に参加する。弟に暴力をふるう姉だが、なんだかんだ尊敬しているし好きだ。朝のここちのいい空気の中で父さんが何かを思い出したように口を開いた。 「そうだ、二人とも。まだ犯人は捕まっていないから夕方までには家に帰るんだぞ」 「あら、まだ捕まってなかったんですか? まったくおっかないわね」
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