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私の名前は『珠希(たまき)』、市内の県立高校で吹奏楽部に所属する高校3年生で18歳の女子高生だ。
私はクラスの友達や吹奏楽部の部員からよく馬鹿にされたり、仲間外れにされることがある。
その理由は自分でもよく分かっている。
それは、私が身長158Cmで体重82Kgのデブ女で、やることなすこと行動がうすのろな女だからだ。
そんな私だけれど、中にはそんな私でもやさしく接してくれる女友達、男友達がいる。
この友達がいることで、私は何とか高校生活を続けることができているけれど、心の底から楽しんでいるとはいいがたい状況だ。
こんな私だけれど、同じ吹奏楽部の同学年に『一瑳(かずさ)』君という私が好意を持った男子がいる。
一瑳君は私を馬鹿にするような態度を見せることはなく、だからといって私と特別に仲良く話をすることもなく、あたりさわりのない関係といった感じだ。
でも一瑳君は誰に対しても優しく接する人で、私にも気を使って優しく接してくれるところが、私が一瑳君のことを好きになった理由だ。
吹奏楽部は7月下旬に吹奏楽コンクールの地区大会があり、8月初旬に県大会があったけれど、私の高校は県大会銀賞で、東海大会に出場することはできなかった。
8月下旬に定期演奏会を開催して私達3年生は引退となり、9月から2学期が始まって私は大学進学に向けて受験勉強に集中することになった。
私は東京の文学部の私立大学を希望していて、無事大学に合格したら一瑳君とも会えなくなるのかなと思っていた。
一瑳君とはクラスが違うため、部活を引退してからはなかなか会う機会がなく、私は少し寂しい思いをしていた。
寒さが増してきた12月のある日、私は一瑳君と昼休みにばったり廊下で出会った。
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