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「一瑳君、吹奏楽部では、いろいろと気を使ってくれてありがとう!
私は友達に馬鹿にされることも多かったけれど、一瑳君は私と普通に接してくれて嬉しかった。」
私が言葉をかけると一瑳君が、
「そんなことないよ!
僕の方こそいろいろとありがとう!」
と優しい言葉を返してくれた。
「一瑳君、私正直に話すね!
私は一瑳君のことが好き…
高校を卒業してもまた会ってくれるかな?」
私が正直に自分の思いを伝えると一瑳君は少し困ったような表情をした。
少し沈黙の時間があって、私はこの告白はしなければよかったのかなと思った。
少しすると一瑳君が、
「ごめんなさい!」
と申し訳なさそうな顔をして断ってきた。
この時の私は涙が出そうなほど悲しかったけれど、ぐっとこらえて、
「私の方こそごめんなさい!
こんなデブな私じゃ、やだよね!」
と言うと一瑳君が、
「僕は細身だから似合わないよ!」
と正直に話してくれた。
私は頷きながら一瑳君に、
「一瑳君、元気でね!」
と言うと一瑳君が、
「うん、珠希さんも元気でね!」
と言葉をかけてくれた。
一瑳君は私と別れて2人の友達が待っている下駄箱に戻って行った。
私は一瑳君の後姿を見送っていたけれど、一瑳君の姿が見えなくなると目から涙が溢れ出して止まらなくなった。
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