告白した彼との再会

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卒業式後、私は東京都内のアパートに引っ越しをして、1人住まいが始まった。 桜が咲く4月初旬に大学の入学式があり、私は晴れて女子大生になった。 大学の雰囲気は高校とは全く違っていて自由な雰囲気で、私はメイクをして私服で授業に出席していた。 私はサークル活動をしたくて、大学でも吹奏楽サークルに入って活動を開始した。 このサークルで私は『寛大(かんた)』君という同学年の少し太っていて体格の大きい元気な男子と出会った。 寛大君は自分の体型のことは気にしていないようで、いつも元気で周りの人と誰とでも分け隔てなく楽しく会話をする楽しい性格の人のようだった。 私が寛大君に話しかけられると、いつの間にか寛大君のペースに引き込まれて、笑いが絶えない状態になっていた。 そんな寛大君の屈託のない明るい性格に、少しずつ私は引き込まれているような感覚があったけれど、好きという感情にはならなかった。 そんな私は高校の頃に一瑳君に告白して断られたことが、心の中に重くのしかかっていた。 大学に入学して大学生活にも慣れてきた4月末のゴールデンウィークから、私はフィットネスクラブに入会して通い始めた。 また食生活を変えたりジョギングをしたりするようにして、ダイエットに励むようになった。 努力の甲斐あって半年後の11月になると84Kgあった体重は大幅に20Kgも減って64Kgになっていた。 しかし少し油断してしまい1ヶ月後の12月には、8Kgリバウンドして72Kgになってしまった。 そんな時寛大君が私に、 「ダイエットしているの?  急激にダイエットすると体に悪そうだから無理しないでね!」 と気遣いのアドバイスをしてくれた。 この時から私は、ダイエットは続けることにしたけれど、無理せず少しずつ体重を減らすように努力した。
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