8 愛の正体

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 しかし、なぜかその日のSNSの投稿には、夫とのことが書いてなかった。朝まで行為を続け、投稿する暇がなかったのだろうかと思い、想像してまた気持ち悪くなる。  そのままタイムラインを眺めていると、るり子の新しい投稿が目に入った。 『ご報告。なんと愛するだーりんとの子供を妊娠してました!喜んでくれるかな。今度サプライズで報告するつもり』   「妊娠って……!」  避妊もせずにるり子と性行為をしていた渉に呆れると同時に、階段から突き落とされた時に聞こえた、「あんたさえいなければ……!」という言葉を思い出した。 (もしかして、あの時も一ノ瀬さんは妊娠してた?けど、渉さんが不倫相手の子を認知するわけがない……。つまり、一ノ瀬さんは私のせいで子供を失ったから、恨んで私とお腹の子を殺そうと……?)  手帳を見て変化しているはずの未来を確認したいが、渉のせいでもう確認ができない。  だが、もしこの推測が正しければ、渉に堕ろせと言われたるり子は、真っ先に広香のお腹にいる子を殺しにくるだろう。それだけは避けなければならない。  るり子とは極力関わらないつもりだったが、こうなったら仕方がない。広香はるり子のアカウントに「橋田です。改めてお話があるので、明日会いませんか」とダイレクトメッセージを送った。 ****  人気のない純喫茶の窓際の席で、広香はるり子の到着を待ちながら、昨日来た返信を見返す。  『いいですよ。場所はどちらがよいですか?』  
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