496人が本棚に入れています
本棚に追加
そのまま倒れたるり子の背中には大きな包丁が刺さっており、真っ赤な血がとめどなく流れた。
あっという間にるり子の周りには血の水溜りが出来る。渉はあまりにも非現実的な光景に混乱していた。
「嘘だろ……なんだよ、これ……!どうして……」
「やーっと二人きりになれたね」
ハッとして声の方を向くと、そこには不適な笑みを浮かべた愛が、こちらを見つめ立っていた。
「ずっと避けられてたから、寂しくて会いに来ちゃったよ」
「なんで、お前……ふざけんなよ……意味わかんないだろ、刺すって……いくらなんでも……」
「え?だってこの女は私たちの世界に必要ないもん。だったら殺すしかないでしょ」
そう言いながら、愛は倒れるるり子の顔をグリグリと足で踏みつけた。
その狂気的な行動に渉は腰を抜かし、その場で尻餅をついた。
愛は微笑みを浮かべたまま、一歩一歩近づく。
最初のコメントを投稿しよう!