虫姦芸術。

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 メールのやりとりは結構続いたので、一通一通の内容を書くことはもうやめるが、メールで得た情報によると、相手の名前はアキラ、年齢は私より十歳上の二十六、私の住む隣の市で一人暮らし、ということだった。  今更ながら私は、相手が年上の男性で、生き物目当てとはいえ、一人暮らしの家に上がり込むんだということを自覚した。  私は容姿に自信がなく、これまで男性と交際するどころか、そういう意味で声をかけられたことすらないので、お家にお邪魔しても、性的なことにはならないよなとは思っていたが、実際どうだろう。このアキラという年上の男性に、襲われたりするのだろうか。当時の本音を書くと、怖い反面、それも良いんじゃないかと思った。私はまだ高校一年生。この歳で処女を卒業すれば、おそらく早いほうだろう。はっきり言うと、私は学校でも控えめで、友達もいなくて、まったくモテないことにコンプレックスを抱いていた。汚名返上じゃないが、周りより早めに処女を卒業し、大人に近づけば、内心悦に浸り、自信を取り戻せる気がした。性体験の有無で自信だなんて、男性的な考え方だなと思わないでもなかったが……。  そんなわけでアキラとは、ほほ一週間後である翌週の日曜日に、彼の住む街の駅近くにある喫茶店で待ち合わせることになった。
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