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「それだけの働きをしたということだな。いつも昼前の方が忙しい。昼の後は、私一人で大丈夫だ。他の二人も、昼前だけ手伝って、昼の後は研究室にこもっているくらいだからな」
そこまで言ってから、オスモはエルランドに視線を向けた。
「小遣いを与えたんだから、エルはデートでもしてこい」
オスモに掛かればエルランドも子供のように見える。何か反論したそうに口を開きかけるものの、言葉は出てこない。
「ファンヌ嬢。ここから少し歩いたところに、美味しいレストランがあるんだ。伝統的なベロテニアの料理を出す店だよ。昼はそういうところで食べたいと思わないかい?」
「私。まだベロテニアの料理がよくわからないのです」
「だそうだよ、エル」
やはりエルランドは何か言いたそうに口をパクパクとしている。五回ほどそれを繰り返した後、やっと彼から言葉が出てきた。
「ファンヌ。昼ご飯を食べに行くか?」
「はい。是非。今、大先生がおっしゃったレストランにいってみたいです」
オスモは何か言いたそうにニヤニヤと口元を緩めていた。
「エルもファンヌ嬢も。また明日のこの時間、手伝ってもらえるか?」
「もちろんです」
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