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「でしたら、あなた。『調薬』の工場に併設させたらどう? あの娘の『調茶』は『調薬』が基本だから、私がみれないこともないけれど。ただ、茶葉の扱い方がわからないだけで」
「それは。『製茶』に携わったことのある者たちがいれば大丈夫だろうとは思うが……。ファンヌのことだから、その辺はきっちりと指導しているはずだ」
「父さん。『製茶』の工場まで考えているのは、どういうことですか?」
ハンネスが尋ねた。『調茶』を専門とするファンヌがいない今、わざわざ領地で『製茶』を行う工場を準備する必要がわからない。
「まあ、ファンヌがあっちに行ってしまったからな。『製茶』に携わっていた者たちは、恐らく領地で受け入れることになるだろうな、と思っただけだ」
「ですが。『製茶』の工場は王宮にもあるじゃないですか」
「だから、だ。あそこで工場がうまくいっていたのも、全てはファンヌのおかげだ。それにすら気づかずに、浮気をして子を孕ませたあの(クソ)王太子には、少し痛い目に合ってもらう必要がある」
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