1583人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうかもしれないな……。のんびり待とうかと思っていたが、いい加減にしろ、と兄上たちからも言われたからな。エリッサもそう思っていたんだろう?」
「そうだけど……」
そもそも、エルランドを焚きつけたのはエリッサだ。その話が、他の関係者にまで飛び火している状態。
「やはり、オレの『番』である自覚を持ってほしい。というのがオレの願いだ」
「ですが。私はまだ……」
「ああ。君の気持ちは尊重する。だけど、オレの気持ちは隠さない」
「エル兄さまが格好良く見えてきたわ。エル兄さまもやるときはやるのね」
先ほどから時折挟まれるエリッサの言葉が、余計にファンヌを恥ずかしくさせている。そしてエルランドもその言葉に気分を良くして、自信を持ってくるのだ。こんなエルランドをファンヌは知らない。
「毎日ファンヌに気持ちを伝え続ければ、オレの気持ちが成就するかもしれないと義姉上たちから言われた」
最初のコメントを投稿しよう!