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それを庇ってくれていたのが、ファンヌの師であるエルランド・キュロ教授であった。エルランドはファンヌが周囲に翻弄されずに『研究』に打ち込めるようにと、そういった声や物理的接触から遠ざけてくれた。
だが、それも長くは続かなかった。ファンヌ自身が王太子妃教育を受けなければならなくなり、学校を退学してしまったのからだ。彼と共に行っていた『研究』が中途半端な形で終わってしまったことが、ファンヌの唯一の心残りでもある。
「半々ってところかしらね」
ヒルマが何を根拠にそう口にしたのかはわからないが、誹謗中傷よりは同情された方が『研究』に与える影響は少ないと、ファンヌは思っていた。
「まあ、そういうことですから。私が学校に戻ることを許していただきたいのですが」
「そうだな。ファンヌの『調茶』の『研究』は、この国にとって重要なテーマだからな。もちろん反対はしない。だが、一度退学という形をとってしまっているから、学校には確認をしたほうがいいだろう」
「ありがとうございます。すぐにでもキュロ教授に連絡してみます」
「ファンヌ。陛下のことは私たちに任せなさい」
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