第二章

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 彼女たちにラベンダー色のドレスを着せられ、さらさらの髪は編み込みのハーフアップにしてもらう。  カーラに案内されて向かった先は、一階にあるサロン。こちらも日当たりがよく、庭がよく見えた。 「お待たせいたしました。ファンヌ様をお連れしました」  既にソファに座っていたエルランドと目が合った。ファンヌは何故か恥ずかしい気持ちになった。 「ファンヌ。よく似合っている……」  そのような言葉をエルランドからかけてもらえるとは思ってもいなかったため、余計に顔が火照ってしまう。 「そう。君が興味を持ちそうだと思って、ベロテニアの紅茶を準備したんだ。飲んでみるかい?」 「もちろん」 「こちらにおいで」  ファンヌは促されるまま、エルランドの隣に座った。それを微笑みながら見ているのがショーンとカーラであるが、すぐさまカーラがお茶を淹れ始める。 「香りも独特なんですね」  湯気と共に漂ってきた紅茶の香りに、ファンヌは顔を綻ばせた。 「ああ。知っている通り、この国ではまだ獣人の血が引き継がれているからな。だから好みも他の国とは異なる」
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