第二章

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「もしかして。それぞれ摂取してはならない薬草とか、茶葉とか。あったりするのでしょうか?」 「どういう意味だ?」 「え、と。獣人の血を引くということは、動物の特徴も受け継いでいるわけですよね。犬猫にネギが駄目なように、その特徴を持つ方もネギが駄目とか」 「最近では、食べ物での過剰反応は聞いたことはない。それだけ血が薄れていると言う証拠だな。だが、その人にあった『調薬』『調茶』をするというのは、獣人に限らず誰にでも当てはまることだ」 「なるほど、そうですね。一般向けの『調茶』と個人個人の『調茶』は異なりますからね。獣人だろうがそうでなかろうが、同じだということですね」  にこやかに微笑んでいたはずのショーンとカーラの表情が、険しくなっているのは気のせいだろうか。 「先生。私、こちらの文化についても学びたいのです。そういったことが学べるような本がありましたら、後で紹介してください」 「ああ、この屋敷にも書庫があるし、これから案内するところにもあるから、好きな方を利用するといい」 「ありがとうございます」
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