第三章

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 庭園のテラス部分には白くて丸いテーブルと椅子が置かれていた。そのテーブルの上に並べられていくパンとスープとサラダと果物と、様々な料理。  さわさわと爽やかな風が、二人の間を駆け抜けていく。ファンヌはエルランドの手の届く位置に座った。いや、座るしかなかった。何しろこの場所には椅子が二つしかなかったのだから。  サクサクとパンを噛みしめると、甘い香りが口の中いっぱいに広がる。 「ファンヌは、それが気に入ったのか?」  先ほどから同じパンを三個も食べている彼女が気になったのだろう。 「はい。サクサクしているのに、中はふわっとしていて美味しいですよ。先生は、お野菜とか果物も食べた方がいいのではないですか?」  ファンヌが手を伸ばして、サラダの皿をエルランドの前に置いた。 「あぁっ」  閃きました、と言いたそうなほど目を見開いて、ファンヌは変な声をあげた。 「先生、先生。薬草や茶葉をベースにしたドレッシングとかいかがでしょう」  いやいやサラダを口に入れていたエルランドも、つい目を見開いてしまった。 「あ、いや。違う。薬草を使ったパンとか。そう、お菓子とか……」
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