第三章

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「どうやら、私がファンヌ嬢と仲良くしていることをよく思わない男がいるみたいだからね」  ははっとオスモが笑っている。 「さて、と。エル。今日、ここに来たと言うことは、私の仕事を手伝ってくれるのだろう?」 「師匠からそう言われたら、断れない……」 「では、私も先生と大先生のお手伝いをしてもよろしいでしょうか?」  むっとしているエルランドとは正反対に、ファンヌの顔はきらめいていた。 「手伝いが増える分には助かる。きちんと手伝い賃は支払うからな。さすがにただ働きはさせないよ」 「よろしくお願いします。大先生」  ファンヌが勢いよく頭を下げたのを、エルランドはため息をつきながら眺めていた。
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