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「でもさぁ、それっておかしくない?」
和也のスマホ画面を覗いていた亜希が呟く。
「おかしいって、なにが?」
「だって、すでになくなった家に暮らしていた人たちの写真が、どうしてコテージの食器棚から出てくるの?」
そう言われればそうだ。
この写真の家はすでに取り壊されているのだから、ここにあるはずがない写真なんだ。
そう理解すると和也の体に寒気が走った。
あるはずのない写真。
誰も居ないのに聞こえてきた水音。
これらは全部、幽霊たちの仕業に違いない。
「それに、もう1つ思ったことがあるんだよね」
亜希が腕組みをして難しそうな表情になる。
「なに?」
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