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本当は電車内でスマホを使わない方がいいのだけれど、同じ車両にはふたり以外の乗客の姿がなかったので、使わせてもらっていた。
「それにしても、人がいないなぁ」
隣の車両へ視線を向けても、継ぎ目のマドから見えるのは2,3人の乗客の姿のみだ。
都会の喧騒に慣れている和也にはこれも不安要素のひとつだった。
「昔、都市伝説で聞いたことがあるんだ」
不意に話始めた和也に亜希は耳を傾ける。
「ある電車に乗ってついいねむりをしてしまったOLが、見知らぬ駅に降り立ったって話。そこは検索しても出てこない駅で、実在しない街だったんだ」
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