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亜希はそう言ってニッと笑ったのだった。
☆☆☆
小さな駅に降り立ったふたりはすぐに50代くらいの男性に声をかけられていた。
コテージを経営している透子のおじさんだ。
「やぁ、はじめまして」
人懐っこい笑みを浮かべて右手を差し出してきたので、亜希は手を握り返した。
「君たちが透子の友だちだね?」
聞かれなくても、この駅で下車したのは亜希たちだけだった。
「はい、そうです」
「透子の友だちに会うことができて嬉しいよ」
おじさんは今度は和也に手を差し出す。
和也はおずおずとその手を握り返した。
体格に似合わずにガッシリとした手に一瞬ドキリとする。
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