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写真は以前、彰人が撮ってくれた一番いいコンディションのものを添付し、反応を待った。
すると“いいね”が表示され、その通知も分刻みで増えていく。
「こ、この“いいね”って何? どうしたらいいの!?」
焦って彰人に訊くと、
「りいちゃんも気になる人がいたら“いいね”を返してみて。お互い“いいね”するとマッチングが成立して、メッセージのやりとりができるようになるんだ」
「そうなんだ……」
莉咲はスクロールして、自分に“いいね”をくれた男性の写真をチェックするも、好みの男性は一人もいなかった。
「え~……。微妙……」
とあからさまにテンションが下がり、莉咲はアプリを閉じてしまった。
「どの人もあきちゃんに比べたらいい男じゃない……」
「う、嬉しいけど、僕と比較じゃなくて、結婚する相手を探すわけだから……」
「え~っ。結婚できないよぉ。私、自分が好きな人じゃなきゃ結婚したくないもん」
「えーと……」
彰人は返す言葉を失い、莉咲はため息をついた。
「無理だよ~。好きじゃないと結婚できないし、そもそも付き合いたいとも思わないし。みんなそうじゃないの?」
「うーん、条件で考える人もいるって聞くけど……」
「条件って何? 年収とか年齢とか? いやいや……それよりももっと大事なものがあるじゃない」
ふふんと莉咲は鼻を鳴らした。
「大事なものって?」
彰人が訊くと、莉咲は胸を張って答えた。
「ときめきよ!」
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