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何でそんな事言われなきゃいけないの? 苛立ちから言葉選びに余裕がなくなっていく。
「興味があったから話を聞かせて頂いているだけです。自分の受けるべき講義はちゃんと受けてるんだから問題なくないですか?」
谷岡先生の表情から笑顔が消えた。真剣な目でこちらを見ている。
「早見、悪いことは言わないから柴崎とはもうこれ以上関わらない方がいい。早見にはもっと自分の勉強に集中してほしいんだ」
何で谷岡先生にここまで言われなきゃいけないんだろう。どうしても納得いかなくて、声を荒げてしまう。
「自分の勉強はちゃんとしてます。それ以外の時間をどう過ごそうが勝手じゃないですか。谷岡先生に私のプライベートをどうこう言われたくありません。失礼します」
反論されるのが怖くて谷岡先生の顔も見ずに部屋を出ると、そのまま柴崎先生の部屋に向かった。ドアをノックすると柴崎先生が出てきた。
「谷岡の用事は終わった?」
「はい。あの、今からでも良ければお手伝いさせてください」
そうは言ったものの、部屋の中をちらっと見ると女性2人の生徒らしき人が動き回っていた。
「柴崎先生、言われた通り揃えておきました。今度の飲み会には絶対出てくださいね」
そう言って2人の女性は部屋を出ていった。柴崎先生は私を部屋に入れるとドアを閉めた。先生の部屋は相変わらず落ち着くいい香りがする。
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