02. 裏切り……じゃなくてこれが現実

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 私が平常心でいられないからというのもあるのかもしれないけど、それだけじゃなくて話の途中でたびたび前の席を陣取っている女子生徒発信の雑談で先生の説明が途切れてしまい、講義自体がいつもより間延びしているからかもしれない。  それとこれは自惚れかもしれないけど……最近は頻繁に目が合っていたと思っていたのに、今日は一度も目が合うことなく講義が終了してしまった気がするのだ。  最後まで講義を受けて講義室を出ると、目の前には5人程の女子生徒に囲まれた柴崎先生の姿があった。間違っても私はあの中に入ってなんかいけない。じっと柴崎先生の方を見ていると、一瞬だけ目が合った。  ……のに。あっさりと目をそらされた。何なら見てはいけないもの見てしまったくらいのよそよそしさを感じる。  急に私と柴崎先生との間に大きな壁が出来てしまったような気がした。あの感じだと、もう私が柴崎先生のそばには行けそうにもないし、あの部屋にも入れそうにない。月曜のあの話はまるで無かったかのような空気になっている。  まただ。また駄目になったんだ……  いつものパターンだ、なんてことはない。むしろこうなることは予想がついたのに、何で柴崎先生にあそこまで近づいてしまったんだろう。
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