第2話 多糖(おおとう)

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第2話 多糖(おおとう)

 我、クリスマスツリーに向かいて目を挙ぐ           ーー非リア充心の詩編より コークよりもケーキが大事と思いたい。クリスマスのサンタの服装が赤いのは、コカコーラが宣伝にサンタを使ったからだと聞いた事がある。それまではサンタの服の色は緑色だったのだが、コークのイメージカラーの赤をサンタの衣装にして、それが定着したらしい。世界中どこにでもプレゼントを届けるサンタにあやかって、世界中どこにでも存在する飲料を目指したのだろう。その作戦が成功したのかどうかは、お近くのスーパーやコンビニに行けば分かると言うものだ。 私は、妻と2人の子供の下男の様な生活を送っている。今日はそんな下男の最も忙しい日である。予約したケーキを、仕事帰りに受け取り、様々プレゼントを両脇に抱えて家路につく。重くて疲れる。献身的な父の努力で、汗の川。 家では子供らがクリスマスプレゼントとご馳走、ケーキに喜んでいる。コーラを飲んでケーキも食べて、よく気持ち悪くならないなと感心するが、子供らにとっては年に一度の「いけない暴食」なのだ。 ケーキは完食だが、コーラは余っていた。下男が心の中で呟く言葉は、コークよりケーキが大事。
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