来世では、結ばれるかな。

2/11
前へ
/11ページ
次へ
 秋風を感じながら、待ち合わせのカフェへ向かう。昼前の駅前は空いていた。  十二年前、私が高校生だった頃の駅前を思い出す。あれから建物がなくなったり、新しい建物が出来たりしていた。十二年という月日は残酷で、駅前をすっかり変えてしまっていた。  私は、十二年、変わらず佇むカフェへ入る。  まだ彼は来ていないようで、先にカフェオレを注文した。  このカフェは高校生だった頃、ずっと憧れていたカフェだ。一度だけ入ったことがあるが、ブラックコーヒーや紅茶など、まだ子供舌の自分には飲めないものがほとんどで、すぐ出てしまった。  紅茶は飲めるようになったが、まだブラックコーヒーは飲めない。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加