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秋風を感じながら、待ち合わせのカフェへ向かう。昼前の駅前は空いていた。
十二年前、私が高校生だった頃の駅前を思い出す。あれから建物がなくなったり、新しい建物が出来たりしていた。十二年という月日は残酷で、駅前をすっかり変えてしまっていた。
私は、十二年、変わらず佇むカフェへ入る。
まだ彼は来ていないようで、先にカフェオレを注文した。
このカフェは高校生だった頃、ずっと憧れていたカフェだ。一度だけ入ったことがあるが、ブラックコーヒーや紅茶など、まだ子供舌の自分には飲めないものがほとんどで、すぐ出てしまった。
紅茶は飲めるようになったが、まだブラックコーヒーは飲めない。
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