sideりりまる 彼なら悪くないのかも

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sideりりまる 彼なら悪くないのかも

「あの、俺もりりまるって呼んでいいかな?」 「もう、優ちゃんは私を呼んでいないよ。そんな風に……」 「だとしたら、呼びたい。メールだけでもいいから」 「メールだけ……?これからも、こうやってお茶ぐらい付き合ってよ」 目の前に置かれたフライドポテトを食べながら私は、笑う。 本当は、後ろめたい感情を持っている事をバレたくない。 「も、もちろんだよ」 「よかった。あっ!私も桜餅って呼んでもいい?」 「はい」 「ずっと呼びたかったんだよね。凄く可愛いあだ名って思ってたから」 「可愛いかな?先輩以外、俺を桜餅なんて呼ばないですけどね」 「だとしたら、なおさら呼びたい。桜餅って……」 「どうぞ、どうぞ」 桜木君の笑顔は、優ちゃんと兄弟って間違われたぐらいだから。 やっぱり、似てる。 桜木君なら、悪くないかもって思ったから……。 だから、わざと鍵を届けに来た事を 私は彼にいつ話そう?
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