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Never-Ending Story (by ORINAS)
扉をくぐると、見慣れた風景が目に飛び込んできた。かつて平穏だった村は魔族の侵略や国同士の争いにより城塞化され、何もなかった空き地も今や城門前の広場になっていた。
「皆さん、創造主ヴェガをお連れしました」
オリナスがよくとおる声で呼ばわると、周囲にどよめきが起きた。
「どなたか、鐘を鳴らしてください」
僕はあわてて、「ちょっと」と声を上げた。
「そういうのは要らないって。人前で演説とか無理だから」
少女は切れ長の目を見開き、鈴の音を思わせる美声で、「あはははは」と笑った。僕が眉をひそめるのを見て、「失礼」と目を細めた。
「心配はご無用です」
「だってもうこんなに! 囲まれてるし」
いつの間にか僕たちを中心に、人垣が出来上がっていた。十数メートルの距離を置いて、ふたりを円形に取り囲んでいる。
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