再会橋の月の元

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“はやまるな!” 切羽詰まったような大声で 急に腕をひっぱられ私は バランスを失い 逞しい大きな胸に抱き寄せられる形となった… “え?” 驚いて見上げると そこには 褐色の肌と ギリシャ彫刻のようなきれいな顔が 心配そうに私を覗き込んでいた その透き通るような瞳を “なんて綺麗な顔立ち…” 思わず見惚れてしまうほどの端正な顔立ちに 暫し時が止まったように感じた “何があったかはわかりませんが 生きていれば きっと良いことがあります” その人は必死な面持ちで私に言った 
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