家柄

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登は 早速、翌日 美月達が勤めるカフェにやってきた 城ケ崎カンパニーのラスボスとも言うべき 代表取締役CEO城ケ崎登の直々の登場に 岩崎は 人間って、こんなに体が曲がるんだと思えるくらい 膝に鼻がつくくらい深々とお辞儀をして登の後ろに立った 『都内にある店舗を順番にまわるようにさせますが まずは手始めに 昨日から一緒にチームとして頑張った、この店舗からお世話になります 右も左もわからない ずぶのド素人の若造です 皆さんの足を引っ張ることの方が多いかと思いますが、 一日も早く皆さんから頼られる存在になってほしいと思っています どうか ビシビシと鍛えてやってください』 と頭を下げ挨拶をした 『おやすいごようです』 村上がおどけて即答すると 一斉に笑いの輪が広がり 自然と貴史も昔からの知り合いのように その輪の中にとけ込んだ… 『こんなイケメンがいるとなったら 若い女性のお客さんが増えるわねぇ 店では何とお呼びすれば良いですか? 専務でよろしいでしょうか?』 村上が笑顔で尋ねると 『やめてくださいよ 学生の頃、友達が城(しろ)さんと呼んでいたのでそれでお願いします』 貴史も笑顔で答えると 『く~っ~ その笑顔! 私みたいなおばさんでもクラってくるわ わかりました では、城さんで』 和やかな雰囲気で 話は進んだ… ほとんどが村上が中心となって推し進められたのは言うまでもない そんな光景を 登は嬉しそうに眺めていた ただひとり… 岩崎だけが 苦虫を噛み潰したような顔でうつむいていた
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