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貴史は最初に何が出来てないのか確認しようとしたが
それは無駄な事だということにすぐに気づいた
何故なら…
目の前に広がる光景は
とても飲食店の店舗とは思えないものだった…
ひと目で
何もしていない事がわかった…
ダブルシンクの中には
おそらく
一枚も洗っていないであろうカップや皿が溢れ…
カトラリー等は
水にも浸けずにそのまま無造作にバスボックスの中に放り込まれていた
客席のテーブルにも
ラストオーダーに提供した物がそのまま置いてある…
『食中毒出すぞ…』
猛烈に腹が立ったが
感情が先に走れば冷静な判断が出来ない
効率的に段取りを組まなければ
中途半端な結果を招きかねない…
そうなってしまえば本末転倒だ…
貴史は
ものすごい勢いで客席に残っている食器をシンクの中に浸け
カトラリー入りのバスボックスにお湯をはり
食洗機を稼働させ出した
ふと
客席内の床に目をやると
モップがけもされていない…
『参ったな…
終わらせられるかな…』
そんな心の声が漏れた時
従業員用のドアが開く音が聞こえた
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