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あの頃
あの頃。って言えば、僕の中では中学生の頃の話。
ある日急に、みんな、僕の事が見えなくなって、見えないのに、バケツで水をかけられたり、教科書を破られたり、足をひっかけられたりしたあの頃。
僕は訳が分からなかったし、かといって親にも言えなかった。
なんて言ったらいいかわからなかった。
やられている理由がわからなかったから。
毎日、仕方なく教室に行った。
学校につくと上履きがなかったり、机ごと僕の席がなかったりもした。
廊下に机が出してあったので、元の場所に運ぼうとするとそこにはもう誰かの机が運ばれていたので、仕方なく教室の一番後ろに自分の机を運んだ。
担任の先生も、僕の席が変わっているのに、何も聞かなかった。
担任の先生にも僕は見えなくなってしまったらしい。
あの頃は辛かった。
辛すぎて僕は本当に消えることにした。
僕のいた学校から。
魔法学校へ。
中学校を辞めると言うその日に、初めて人前で意識して魔法を使った。
誰も魔法などとは思っていなかったけれど。
心霊現象だと思ったらしく、僕がやっているとも思っていなかった。
教室の中に、クラス中の机を飛び回らせ、花瓶からどれだけの水が出るのかと思われるほど、全員に花瓶から水をかけた。
そうやって、教室中をぐちゃぐちゃにして、ようやく気が済んだ僕は担任の先生に
「担任までいじめに加担する中学校には居たくないので、辞めます。」
と、言い残し、校長室に両親を呼び出し、これまでのいきさつを全て明かした。
校長先生は、
「公にしないでほしい。」
と、頭を下げた。学校の為に。
そして、
「次に行く中学校には申し伝えをするから。」
というので、
「結構です。」
と、言い放ち、あっけにとられている両親を連れて、校長室を出た。
そして、小学校の入学案内が来た魔法学校へ編入したいと両親に言ったのだ。
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