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「残念ながら、そのご要望はお受けできません。皆さんには、兵士となって我々人類の為に闘って頂くことが大前提ですので。もしもそれを拒むのなら、人類への敵対行為と看做して、悲しいことですが皆さんを処分しなければいけなくなります」
「処分だと?」
またぞろ物騒な単語が飛び出してきた。白衣の男が仰々しく頷く。
「ええ、先程皆さん自身でも既にお気付きになられていたようですが、皆さんの体内――心臓部にはマイクロチップが埋め込まれています。普段は皆さんの居場所を把握する為の発信機として使用されますが、もしもの場合は皆さんの心臓を破壊する機能も備えているのです。〝吸血鬼〟の唯一の弱点も、心臓ですからね」
舌打ちをしたのは、金髪か。
予想していたこととはいえ、皆少なからず衝撃を受けたようだった。
――私達の胸には、本当に爆弾があったのだ。
「ですので、あまり反抗的な態度は取らないことをお勧め致します。早速、これから皆さんをお迎えに上がりますが、決して妙なことは考えないように。我々としても、貴重な適合体を失いたくはありませんからね」
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