1-5 祝福

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 貴重な適合体……〝人類の希望〟で〝大切なお客様〟だと(のたま)ったのと同じ口でそれを言う。隠しきれていない本音に、乾いた笑みが漏れた。もしかしたら、隠す気もないのかもしれないが。  その後、画面は点いた時と同じ音を立てて素っ気なく消えた。次に会場の鉄の扉が開かれるまでの間、場にはひたすらに重苦しい沈黙が流れた。
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