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「ただいまーっす」
「お帰りなさい。お疲れさまです」
寮に帰ると、皇が庭で何やら作業をしていた。
ハロウィンの時に使ったイルミネーションのようにも見えて、少し違う。
「あ、クリスマスですか?」
そういえば、もう12月だ。
「ええ。あのハロウィンが好評だったようなので、またやってみようかと」
庭の木に電飾をつける皇の足元では、白猫の百が金モールと戯れている。
「じゃあ、またあっちの皆さん来るんですか?」
「いえ、まだそこまでは……」
皇は言葉を濁したけれど、なんとなく思った。
この人もよっぽど、あのハロウィンが楽しかったんだろうな……。
「せっかくだから、呼んであげたらいいんじゃないですか?ノルンちゃんも喜ぶでしょうし。貴方の手料理も含めて」
「……そうでしょうかね」
「と、思いますよ。だいたい、奏人さんが抱っこしてたら寝ちゃったくらいですから、ここでも安心して過ごしてくれてるんだろうし」
皇は黙って電飾を飾り付け、作業が一段落すると言った。
「では、他の皆さんにも確認して、大丈夫なようでしたらまたお招きしましょうか」
「皆いいと思いますよ」
「結構。それでまた記念写真でもアップすると、ファンの方も喜んでくれるでしょうし。ハロウィンも、皆さんの意外な姿が見られて好評だったようですしね」
「え」
「……何か不都合でも?」
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