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「あ、いえ」
「では、貴方にもまたクリスマス用のお洋服を買いましょうか」
遊んでくれと足元にじゃれつく百を皇は抱き上げ、俺はあのハロウィンの記憶を思い出していた。
TEAM CHOCOLATEの面々はスケジュールの合う範囲で色んな人が来てくれた。
子役のノルンちゃん始め、アイドルさんたちもベテランさんたちも。
皆さん楽しんでくれたのは俺も嬉しいけれども、奏人さんに着けさせられた猫耳をからかわれたのは恥ずかしかった。
ノルンちゃんに可愛いと言われるのは、まあ小さい女の子だからとしても。
「あ!匠海君、可愛い!一緒に写真撮ってください」
みたいにアイドルの子たちに言われたり。
「あら」
ってメイク担当の帰蝶さんが笑顔で歩み寄ってくると思ったら
「せっかくの可愛いお耳が傾いでしまっているわよ」
ってカチューシャ直されたり。
チーフマネージャーの便利屋さんには
「匠海君、写真一枚いい?」
「いいですよ」
「うちの子たちのSNSに載せてもいい?」
「あ……皇さんがOK出れば」
「りょーかい。つか、耳似合うねえ。匠海君、コメディもいけるんじゃない?うちで一緒にミュージカルやらない?」
なんて言われたり。
そんでも、元バイト先から取ったピザや皇手作りの料理やデザートを皆で食べて、ノルンちゃんが帰る時間には大人組も明日の仕事に差し支えるとのことでお開きになり、賑やかだった寮の中がいっぺんに静かになると、寂しいようなホッとしたような気持ちを覚えた。
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