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……人が居ると疲れるけど、居なくなると寂しいって、一人っ子の習性かな……なんて考えながら食器の片づけを手伝っていると
「匠海」
奏人さんが隣に来て言った。
「そんなに気に入ったかい。それ」
「え?」
「それ」
と俺の頭を指す。
「……あ!」
ぶわっと顔に熱が上って、慌てて猫耳取ろうとすると
「別に取れとは言っていないよ」
と奏人さんは笑う。
「や、でも忘れてたんで。言われたら気になりますって……」
「いいじゃないか。良く似合っているよ。ところで」
「はい?」
「あちらの皆さんと仲良く写真を撮っていたみたいだね」
「え」
「僕とは1枚も撮らなかったのにねえ」
「へ!?……」
カチャカチャと皿を集める口元は笑ってるけど目は笑ってない。
「あの……あとで撮ります?」
「別に僕は撮らなくていいけど」
とは言うけど、絶対これ面白くないと思ってるやつだ。
参ったなぁ……と思ってた時
「ねえねえ。写真撮ろうよ!」
外を片付けていた唯人が、ばたばたとやって来た。
「せっかくだから、カボチャとか飾ってあるうちに、今居る人だけでも写真撮らない?」
「それなら、FC限定ブログの方にでも出したらどうです」
台所から皇もやって来る。
「あ、いっすね。んじゃ、匠海君と、奏人さんと、蓮次君も居たよね。呼んでくる!」
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